2017年2月3日 更新

江戸っ子の粋が現代に。てぬぐい専門店 「かまわぬ代官山店」で見つけた手ぬぐいの奥深さ

友達からのプレゼントをきっかけに「手ぬぐい」に興味を持った私。実際に使用してみると、吸水性が良いのにすぐ乾き、とても便利。そして最近ではデザインやサイズなどの種類も豊富にあることを知りました。お気に入りの手ぬぐいを見つけるために、おしゃれなカフェがある街・代官山に佇む手ぬぐい専門店「かまわぬ」へ訪れました。

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私が手ぬぐいに興味を持ったのは、友人からプレゼントでもらったのがきかっけでした。普段からちょっと気の利いた贈り物が得意な彼女は普段から手ぬぐいを愛用しているといいます。「吸水性も良いのに、乾くのが早くてハンカチとしても食器を拭くのにも便利。最近では和柄だけではなくデザインの種類も豊富できっとコレクションしたくなるよ」と勧められました。
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代官山駅から西へ。おしゃれなカフェや雑貨屋を物色しながら歩きつつ、「代官山駅入口」交差点から細い路地に入ると、住宅地の中に他のお店とは毛色の違う古民家風の建物が佇んでいました。ここがトレンドを発信する代官山の中で、日本の伝統文化・手ぬぐいを扱う専門店「かまわぬ」です。
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手ぬぐいといえば「田舎のおばあちゃんが使っていたもの」というのが私の正直な印象。ところがプレゼントでもらったのは、ハンカチとして持ち歩けるような今風のデザイン。実際に使ってみると友人の言ったとおりとても使いやすいので、ハンカチ用・台所用・洗面台用・・・と様々な場所で使いたくなりました。

そんな友人から紹介されたのが代官山にある手ぬぐい専門店「かまわぬ」。早速、お気に入りの手ぬぐいを探しにお店を訪れました。
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暖簾をくぐってお店に入ると、まず目に入ったのが左右の棚を埋め尽くすたくさんの手ぬぐい。壁に設置された6段の棚を彩るように、ぴしっとたたまれた手ぬぐい達が所狭しと整列して出迎えてくれました。お店の方に聞いてみると、その数はなんと250種類。季節もの、縁起物など様々なデザインがあり、時間を忘れて見入ってしまいます。

どれにしようかと迷っている時に教えていただいたのが「柄のひとつひとつに意味が込められている」ということ。
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例えば上の写真は店名にもなっている「かまわぬ」柄。この模様は「判じ物」といい、文字にある意味を柄にしています。「鎌」と「輪」の形と「ぬ」の字を合わせて「かまわぬ」。

「特にお構いもいたしませんが、どうぞお気軽に入ってみてください」という歓迎の意味を込めて店名に用いている、とお店の方が説明してくれました。

本来、この「かまわぬ」柄は江戸時代に町奴や火消し役の半纏に使われていたもので「水火をいとわず」という勇気の象徴だったそうです。江戸時代から続く言葉遊びの「粋」に思わず笑みがこぼれます。
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言葉を模様にした「判じ物」に対して、その模様に意味を込めたものが「縁起物」と言います。扇子が連なるような「青海波」という柄は、縁起物の代表的な柄。同じ柄がずっと続く、無限に広がるおめでたい事の象徴として「良きことがずっと続きますように」という願いを込めて作られています。
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棚の上にはそれぞれの意味がパネルで説明されており、まるで展示会のように模様に込められた意味を考えながら「ふむふむ」と読み込んでしまう楽しさがありました。

「かまわぬ」で扱う手ぬぐいは「注染(ちゅうせん)」という明治時代から続く伝統的な技法で、一枚一枚職人の手作業によって染料を注ぎ、染め上げます。大量生産はできず、一度に仕上がるのは20~30枚程度。一枚の布をじゃばらに重ね合わせて表と裏から染料をしみ込ませていきます。手作業だからこそ一枚一枚微妙に違いのある色のにじみやぼかしがより一層魅力的に感じます。
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店内にはお弁当箱やボトルを包んだ手ぬぐいもあちこちに展示されていました。「ぬぐう」だけでなく「包む」という用途にも手ぬぐいは役立つようです。お気に入り手ぬぐいでお弁当を包めば、いつものランチタイムもより楽しくなりそうです。

特別な贈り物には手ぬぐいを使っておしゃれにエコラッピング。ホームパーティーの手土産は、手ぬぐいで包んで持っていこう。そんな風に、お店にいると新しい使い方がどんどん浮かんできます。
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更に全く新しい使い方を教えてくれたのが、お店の壁にずらっと並んだ額縁。その中にはタペストリー用の棒で吊るした手ぬぐいが飾られていました。季節の旬を表す食材や草花の柄の手ぬぐいをインテリアとして飾れば、四季を感じるお部屋のアクセントになります。和室だけでなく、洋室にも合いそうですね。2種類の手ぬぐいを重ねて飾るのも素敵です。
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店内に置かれたかごの中に、同じ柄の2つの手ぬぐいが並べられていました。ひとつは新品のもの、ひとつは「2年間毎日洗ったもの」。新品のものに比べて2年間使ったものは淡い色に落ち着き、表面も毛羽立っています。手ぬぐいは長く使用することで木綿生地が柔らかくなり、毛羽立つことで一層吸水性を増すそうです。
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私が今回発見した手ぬぐいの魅力。それは使うほどに増すその機能性と幅広い使い方。そしてなにより興味を惹かれたのが柄に込められた意味とメッセージ性の奥深さ。それらを考えながらひとつひとつ手に取って見ていると「こっちはインテリア用、こっちはお弁当包み用、これはあの人に贈ろうかな」と気づけばたくさんの手ぬぐいが両手の上に。当初考えていた用途とは全く違った使い方として、選んでいることに気がつきました。

そして使えば使うほど味が出るのが手ぬぐい。私のマイ・手ぬぐいも好みの風合い、色合いになるまで大事に使いたいと思います。


(文・写真/佐藤有香)

【手ぬぐい専門店「かまわぬ」代官山店】

住所/東京都渋谷区猿楽町23-1
TEL/03-3780-0182
営業時間/11:00~19:00
定休日/年末年始のみ

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ハレット編集部 ハレット編集部