2017年4月24日 更新

「向島」もう一度行きたくなる街歩き。知らない街を好きになるワークショップ。

向島をご存知でしょうか。ガイドブックとは違う目線で、血の通った出会いを持てば、きっと、その街を好きになる。3月25日に行ったワークショップのレポートです。

「向島でワークショップやりたいんですよ。」
 シティーボーイのhaletto編集部鈴木から突然言われた。20数年埼玉と東京に住んでいて、まったく認識したことのない地名が出てきたことに驚く。はて?向島?何となく、東京の右(東)側のにおいはする。JRの駅にはなさそう?
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こんにちは。haletto編集部の百江です。主に池袋・新宿・渋谷であそぶわたしにとって、東(ひがし)東京といえば上野・浅草。校外学習で行った「観光地」というイメージ。動物園、博物館に美術館、浅草寺、寄席。はっきりと観に行くものがあっていくところ。なんとなく「お土産を買って帰るところ」。

Googleマップを開くと、「向島」っていう駅はないようで。スカイツリーの上(北)あたり。隅田川沿い、浅草の右(東)のほう。
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シティーボーイ鈴木「下町らしい雰囲気ですけど、新しいお店も多くて。すごく面白いエリアなんですよ。あと、猫も多いし!(なんじゃそりゃ。)街歩きやったら、絶対たのしいと思います」

足立区在住、東(ひがし)東京が大好きな鈴木が推すこの街で、3月25日の土曜日、haletto的街歩きワークショップを行いました。
http://peatix.com/event/243969
向島を歩き、気になるスポットやできごとをカメラ(チェキ)で切り取ります。地図を片手にメモをとりながら、思い思いの発見を持ちより、自分好みの街歩きマップをつくるワークショップです。
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temusubiのかわいらしい看板
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向島のおむすびカフェ「temusubi」に集まったのは、haletto編集部と7名の参加者のみなさん、そして3人のゲスト。参加してくれた方たちは、ライター、フォトグラファー、卒業間近の大学生、システムエンジニアなどなど…多彩なメンバーが集まりました。共通点は「街歩きに興味がある」ということ。編集部の三宅、折戸、杉本もまざって、ワークショップのはじまりです。
今回のワークショップ企画者、鈴木が大切にしたこと。それは「街の魅力を知り、またいきたい!と思ってもらう」こと。ガイドブックとは違う目線で、血の通った出会いを持てば、きっと、その街を好きになる。街歩きを趣味とする鈴木ならではの企画です。

ワークショップをより楽しくすべくお呼びしたのが、強力な3人のゲスト。
まずは、向島に360年以上続く老舗、駿河屋の一桝さん。
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地元では知らない人がいないほど、向島を知り尽くした「街のキーマン」です。向島を歩く際のヒントや、知る人ぞ知る街の見どころ、日常からみる街の魅力を教えてくださいました。そして、地図をご提供いただいた株式会社ゼンリンの松尾さん。
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日頃はランニングを趣味とする、アクティブな地図の専門家。今回、街歩きに使用する地図データをご提供くださいました。さらには、本職の強みを遺憾なく発揮(詳しくは後ほど)。
最後に、おおがきなこさん。
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編集長三宅の熱烈なラブコールによってお呼びした、イラストレーターさんです。ワークショップで集まった発見をもとに、あたたかく、陽気な街歩きマップを描いてくれます。(出来上がった地図は、記事の最後に。)

ワークショップの拠点としてお借りしたカフェ「temusubi」。
築100年を超える長屋の奥(実は住所名も長屋奥)にある、古民家を改装したカフェ。さわやかな好青年、東店長が「むすぶ」おむすびが名前の由来です。こだわりの煎茶とともに、街歩きでお腹をすかせた皆さんに振る舞う予定です。店内にはもう、お米の炊けるいいにおい・・・。

午後1時。自己紹介と、ゲストからの挨拶が終わると、3グループにわかれていざ出発。haletto編集部とゼンリンさんで用意した「わたしの向島地図」がお供です。
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地図とにらめっこしながら歩きだす様子は、もはや初対面とは思えない連帯感。
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百江が同行したのは、松尾さんが飛び入り参加した杉本チームです。「まず、スタート地点はどこだ・・・?」と戸惑う、4人のメンバーたち。「今はここ、地図はこの向きで、ここが隅田川。まずはフォトスポットに行きましょう」松尾さん、頼もしすぎます・・・。このチームは安泰だと確信した瞬間でした。
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天気は、雨や曇りの予報にどきどきしていたhaletto編集部の願いが叶い、外は肌寒いながらも、風もなくお散歩日和。
まずは、松尾リーダーのおすすめ、源森橋へ。ここでは、隅田川とそびえるスカイツリー、そしてJRの高架鉄道が同時に見える、絶好のフォトスポット。スカイツリーのおひざ元であるこのエリアを象徴する場所から、土手で開催されている「さくらまつり」を目指して歩きます。
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ここではじめに、一桝さんのお話をひとつ。
「むかしこのあたりは、サラリーマンの家庭はほとんどなくて。手に職を持った自営業のおうちばかり。小学校の給食だと、遠藤さん家のお豆腐、とか、座っている椅子はやっちゃん家のお父さんがつくったよ、とか、地元の人がかかわっていることが多くて。今はなくなっているところも多いけど、看板をよくよくみると、名残をのこしているところもあります。ぜひ探してみてください。」
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ひとつのスポットを目指していくだけではなくて、街の今と昔(と、未来)を重ねて見ていく街歩き。住宅街を歩く杉本チームの皆さんも、古い看板や、建物ひとつひとつに注目しながら、カメラをのぞきつつ歩いていきます。
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隅田川沿いは、ちらほら花をつけはじめた桜と、満開の菜の花が鮮やかで、春らしい明るい雰囲気でした。
隅田公園の大きな池には、水面に映るさかさまのスカイツリーと、のんびり泳ぐ鳥。
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川を左にみながら歩いていくと、1回30円の釣り堀が。下町らしい価格設定に、みんな興味津々。
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今度は土手にのぼって、祭りの屋台でもつ煮をほおばります。川には屋形船が浮かび、土手にはお散歩の人、お祭りに訪れた人、お花見で宴会中の人・・・にぎやかな春の川辺です。
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見つけたものを指さしてみんなに知らせたり、次はどこに行こうかと地図を囲んで作戦会議したり。散歩中のおじさんが、おすすめを大声で教えてくれたり。ここだ、という目的地のない街歩きも「探し物」があると自然と会話が生まれ、色んなところに足が向きます。
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約1時間。春の向島を歩き回った3チームが、temusubiに戻ってきました。
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それぞれの手には缶ビールや大きなくるみパン、桜もちに金平糖など…。机いっぱいに貼られた大きな地図の上は、ピクニックのようなにぎやかさです。
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「お待たせしました!」むすびたてのおむすびも、どんどん運ばれてきます。最高級の海苔と、こだわったお塩と、ほかほかのごはん…歩いたな、疲れたな、おいしいなあ。ほっとする瞬間です。
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何度もひろげられてくちゃくちゃになった地図をポケットから出して、各チーム、面白かった出来ごとをおさらい。おすすめの写真をチェキのフィルムに印刷していきます。
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チェキで撮った写真を大きな地図に並べながら、発見の報告会。
地元の氏神である牛嶋神社。お社自体だけではなくて、そこから出てきた花嫁さんに注目した人。鳥居のそばで、鳩に餌をあげているおじさんに注目した人。
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同じくるみパンのお店に行ったけれど、そこで聞いたお話はまた違っていたり。隅田川の土手の右側と左側でも、見える景色は違う。通りかかったタイミングが数分ずれただけで、それぞれの出会いがあるんです。
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「こんどは商店街を周ってみたい」
「桜餅の葉っぱは外さない派」
「外したほうが、おいしいですよ(一桝さん)」
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「くるみパン一口どうぞ」
「あの店入ったんですか」
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「どこからでもスカイツリー見えるのね」
「金平糖の箱かわいい」
「あのおじさんのおすすめ店にたどり着けなかった」
「通りすがったカフェ、入ればよかった」
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地元グルメをもぐもぐ食べながら、土産話に花が咲きます。皆さんが口々に言っていたのは、「時間が足りなくて、行けなかったところがあった」ということ。チーム毎でなんとなくエリアを分けてまわったけれど、それでも足りなかったんですね。街歩きというと、ひとりで、友だち同士でふらっと行く、というのが普通。今回、ワークショップにした意味って、どういうところなのかというと。たくさんの目と足と、それぞれの人の「興味」が集まって、自分だけではみつけられない発見を共有できることだと思うんです。
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「うちの会社では、全国1000人の調査員が日々、足で調査して”今”の街の様子を集めています」ゼンリン松尾さんの言葉です。地図の正確さは、そうやって保たれています。それって、今回の街歩きにもどこか、似ているような。
一つの路地、一つのお店、そこにいる人、交わした言葉。みんなで歩いた、その“瞬間”の街の姿を集めた地図。正確かというと違うんだけれど、その時感じたことは、何よりもリアルですよね。机の上の大きな地図は「もりだくさん」という言葉がぴったりな、写真が貼りきれないほどの充実っぷり。
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ひとつひとつのスポットをみんなで話して「そこいいね。行きたいな」と言い合って。なんとなく、親しい人たちの飲み会のような雰囲気のまま終了しました。
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さて。後日、エピソードをもとに、きなこさんがまとめてくださった地図がこちら。あの日、あの街で見つけた発見を、今この記事を読んでいるあなたにも、どうぞ散歩してみてください。
向島。
全然知りませんでした。今ではもう、「知っている」といえます。「まだよく知らない」ともいえます。また行きたいです。今度は誰と・・・?好きな街がひとつ、増えました。
きなこさんが描いてくださった、向島の街歩きマップはこちら。地図を片手に、ぜひ訪れてみてくださいね。
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おおがきなこさんによる「わたしの向島地図」
最後に。今回ワークショップで使用したマスキングテープやふせんは、地図ステーショナリー「mati mati」のもの。松尾さんが所属する、地図会社のゼンリンさんが新しくはじめた取り組みです。
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デザインは街ごとのシリーズになっていて、「丸の内は、歴史的建造物」だったり、「吉祥寺は、ねこ」だったりと、その街にまつわる「マチマチ・ストーリー」が散りばめられています。3ポケットのクリアファイルは、地図のレイヤー構造を模したデザインで、ついつい見入ってしまう面白さですよ。ワークショップでも大活躍でした。

街と私をつなぐ 街々ストーリー「mati mati series」|ZENRIN

街と私をつなぐ 街々ストーリー「mati mati series」|ZENRIN
街にまつわる様々なテーマを散りばめた、地図ステーショナリー。街への"好き"を育てたり、あの人との会話のきっかけにしてみませんか。
Information
temusubi
東京都墨田区向島1-15-8長屋一番奥
営業時間:11:30-16:30
定休日:毎週火曜・水曜
http://whereapp.io/temusubi/

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